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米中オンライン会談で見えた米国の対中姿勢の変化 「価値観」外交から、帝国主義的な勢力均衡に軸足を移しつつある

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  • 佐藤 優 作家・元外務省主任分析官

米中対立が国際社会の基本構図であるという見方は広く共有されている。ただし、よく観察すると2つの見方が混在している。

第1は、米中対立を「民主主義対権威主義」という価値観の対立とする見方だ。中国は共産党1党独裁体制の国であり、米国や欧州、オーストラリア、日本など国民の民主的手続きによって政府が形成される国家とは価値観を異にするので対立を余儀なくされるという見解だ。米中対立を「新冷戦」と主張する論者はこの視点に立っている。これは東西冷戦、すなわち米国とソ連の二項対立(イデオロギー的には資本主義対共産主義)との類比で米中関係を捉える。

しかし、この類比には2つの問題がある。1つは、ソ連はマルクス・レーニン主義の革命理論に基づいて共産主義を拡張することを考えていたのに対して、中国は共産党1党独裁体制ではあるが、国外に共産主義革命を輸出することは考えていない点。もう1つは、東西冷戦という概念がソ連・東欧諸国と米国・西欧諸国の軍事力が均衡していた欧州においてのみ成立したものであるということだ。アジアでは、朝鮮半島やベトナムのように「熱戦」が起きている。

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