歴史総合の導入に当たり文部科学省で実務を担ってきた藤野敦・初等中等教育局視学官に教科の狙いなどを聞いた。
──歴史総合の特徴を簡潔に表現するとどうなりますか。
地域の歴史は日本や世界の歴史とつながっており、世界史と日本史という垣根をなくした。「近現代の歴史の大きな変化」に着目し、「近代化と私たち」「国際秩序の変化や大衆化と私たち」「グローバル化と私たち」という3つのテーマ項目を設定した。それぞれの動きと、現代を生きる「私たち」にどんな関係があるかを理解してもらう構成になっている。
さらに、文部科学省が示した学習指導要領の「解説」にはいくつもの「課題(問い)」が載っており、なぜそうなのかを生徒自身に考えてもらう構成だ。課題意識を育みながら、歴史的事実を学び、歴史の大きな変化と現代の諸課題との関係を考察してもらう。
また、この科目の導入部では、歴史資料にはどんなものがあるか、あるいは歴史資料からはどんなことが学び取れるかといったことも学習する。歴史の学び方が大きく変わるはずだ。
──「歴史は暗記物」と考える社会人や、「受験科目にない歴史は勘弁してもらいたい」と考えている受験生はたくさんいます。
2015年度の高校生対象の「学習指導要領実施状況調査」では、歴史の勉強について、「好き」だと答えた生徒は半数程度。将来役に立つかという問いに「そう思う」と答えた生徒は半数に満たなかった。歴史は人間と社会の営みを教える総合学であり、歴史を教える教員はこれほど世の中の役に立つ学問はないくらいの気持ちでいるのだが、そこにギャップがある。
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