成長と分配の好循環を柱とする「新しい資本主義」を掲げ、衆議院選挙を戦った岸田文雄自民党総裁。明確なキャッチフレーズに比べて具体的な政策実現への道筋は見えづらく、今後は実効的な政策議論が望まれる。もっとも、成長のために必要なのは徹底した規制改革だ。
例えば世界を先取りした大胆なインフラ投資、中でも5G投資が挙げられる。また無形資産投資も重要だ。日本企業はR&D(研究開発)やデータベース向けはまだしも、人的資本投資が不足しており、(世界的競争力のある)米国企業との決定的な差となっている。
企業間の健全な競争を促すことも必要だ。日本では中小企業がGDP(国内総生産)の7割を占める。(すでに生産性の高い)トヨタ自動車のような大企業の生産性を10%上げるよりも、中小企業の生産性を10%上げるほうが容易だろう。企業はある程度の規模がなければ研究開発なども進まず、生産性が上がらない。競争力の弱い企業を守るために補助金も使われている。こういった政策は見直すべきだ。
経済の成長には生産性の低いところから高いところへの資源移動が必須である以上、雇用制度を柔軟にして、労働市場の流動性を高めることも重要だ。働き方、雇い方はもっと多様で自由であるべきだ。例えば正規雇用、非正規雇用の違いを見ても、同一労働同一賃金になっていない。これを正し、雇用形態による不平等を解消して、流動性を高めていく。
分配についてはベーシックインカムを挙げたい。累進制である所得税では、低所得者は税率ゼロだ。これをマイナスにする。「負の所得税」として現金を給付する。
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