9月から株価が下落し、金融市場に動揺が見られる。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、大規模な証券購入による資金供給を減らしていくテーパリングの11月開始を示唆。ECB(欧州中央銀行)も9月に同様の決定を行った。2020年3月以降続いた新型コロナ禍対応の大盤振る舞いによる流動性相場はいったん終焉を迎えつつある。
さらに、現状ではいくつかのリスクが顕在化しており、ここから先も不安定さは付きまといそうだ。まず、世界経済の成長において大きな比重を占める中国経済が下振れするリスクがある。
チャイナショックを警戒
中国経済のリスクの1つは不動産バブルと不良債権処理の問題だ。中国政府はインフラ整備としての不動産投資を続ける一方、投機による住宅価格の高騰を抑制する融資制限などのバブル潰し政策を行ってきた。
不動産業者には昨夏に「3つのレッドライン」と呼ばれる財務基準を設け、未達の場合は銀行融資を制限することとした。この基準を3つとも満たさず、資金繰り不安から債務デフォルト危機に陥ったのが、中国恒大集団だ。総資産約33兆円、有利子負債約9.8兆円と膨張。簿外で理財商品を売り、これも運用管理がずさんでデフォルト騒ぎに発展した。
ただし、リーマンショックのように信用危機から国際的な流動性危機に飛び火する、ということはないとみられている。借り入れはほとんど国内銀行からのもので、約2.1兆円の残高がある社債は、長らく投機的格付けで、銀行・保険・年金基金といった機関投資家はまず保有していないからだ。
課題は日本の1990年代の二の舞いを避けること。すなわち、不動産の投げ売りによる価格暴落から銀行の不良債権が積み上がり、国内の金融システム問題に発展するような事態の回避だ。日本の事例を研究し尽くしているため、懸念があれば、銀行に公的資金を躊躇なく投ずると考えられる。
この記事は会員限定です
残り 729文字
