19万9000円、28万円、33万円──。インターネット上の中古車販売サイトで検索すると、日産自動車が2010年末に発売したEV「リーフ」の初代モデルが中古車として格安で売られていた。新車価格は約380万円。その10分の1以下の価格で売られている車両もある。
なぜここまで価格が下がってしまったのか。近畿地方にある中古車販売店の担当者は、こう事情を語る。「新車当時と比べるとバッテリーが劣化し、航続距離は半分くらいになる車両もある。これくらいの価格じゃないと、お客さんは買ってくれないんですよ」。
一般的に、EV用の電池の性能は10年で7割ほどに下がるといわれる。電池の劣化が進めば、その分航続距離は短くなる。したがって、現行の2代目リーフに比べても「(電池が劣化している車両が多い)初代リーフは値段が下落する傾向にある」(同担当者)。
世界でEVの開発が加速する中、今後販売台数が伸びていけば、中古EVも増加する。その際、冒頭の中古リーフのような価格下落が起きれば、中古車市場全体に影響を及ぼす可能性がある。所有車を売却する際に大幅な値下がりを免れないとなれば、消費者が新車でEVを買う魅力も損なわれ、EV普及の足かせになりかねない。
劣化低減の技術も登場
中古EVの価値暴落を抑える方法はあるのか。1つが、電池の消耗を低減させることだ。アーサー・ディ・リトル・ジャパンの貝瀬斉パートナーは「今後はコネクテッド技術を使って走り方や電池の管理を工夫し、電池の劣化を低減するバッテリーマネジメントが可能になる」と分析する。
電池自体の性能向上も重要になる。日産は2代目リーフの航続距離を初代に比べて2倍以上に向上させ、今冬に発売する新型EV「アリア」の最大航続距離は約610キロメートルと、既存のEVの中でもトップクラスにまで伸ばした。もともとの電池性能が高ければ、その分中古の価値下落を抑えることができる。
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