ベンチャー企業にとって、飛躍のきっかけになるのが大企業との提携だ。知名度や信用度が上がると同時に、事業を軌道に乗せる原動力となる。実際、大企業との業務提携は盛んで、資本提携に踏み切るケースも多い。
一方で、大企業などの連携先がその立場を利用して、ベンチャー企業にとって不利益となる取引を強要する例が散見される。
昨年11月、公正取引委員会は「スタートアップの取引慣行に関する実態調査報告書」をまとめた。ベンチャー企業などへのアンケートを基に作成した報告書だが、その中で実に16.7%が連携先や出資者から納得できない行為を受けた経験があると回答している。
その中で当該行為を受け入れた企業が41.7%、一部受け入れた企業も合わせると8割近くに達する。受け入れたうちの55.5%が「不利益が生じた」と回答、100社に7〜8社が納得できない行為で不利益を被っていることになる。

報告書では納得できない行為を受けたベンチャーのうち約120社にヒアリングを実施、その取引慣行の一端が垣間見られた。例を挙げると次のような内容だ。
「事業連携で秘密保持契約を結んだが、当社の秘密情報ばかりを聞き出され、その後、連携先が同様のサービスを始めた」
「技術検証の対価を頼んだが、問題点を明らかにしないままAIの精度が悪いと繰り返し修正を求められ、コストの5分の1程度の報酬しか支払われなかった」
「資金に余力がない創業初期のころには、共同研究で連携事業者から知的財産権の無償提供に応じさせられた」
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