ウイルスが感染・増殖を繰り返すごとに一定の割合で起きていく変異。感染者が増えれば、その分ウイルスにとっては変異するチャンスも増える。
WHO(世界保健機関)が強く警戒しているのは、欧州株から枝分かれしたアルファ、ベータ、ガンマ、デルタ株の4種類(下図)。これらの変異株は、従来株に比べてヒトへの感染力が大幅に増しているのが特徴だ。

中でも、インド由来のデルタ株は最も強力。7月末の時点で、米国では新規感染の8割以上がデルタ株に。東京では8月末には従来株からすべて置き換わるとみられる。「つねに無数の変異ウイルスが生まれては消えている。結果として最も感染しやすいタイプのウイルスに置き換わっていくのは当然」と、コロナウイルスを研究する東京農工大学の水谷哲也感染症未来疫学研究センター長は話す。
そこで気になるのが、デルタ株にワクチンがどれだけ対抗できるのかということ。現在流通している米ファイザー製、米モデルナ製ともに、開発時にターゲットにしていたのはあくまで従来株である。
参考になるのは、英国のイングランド公衆衛生局が行った、ファイザー製ワクチンによるデルタ株の感染予防の研究だ。約1万9000人を対象に行われた研究によれば、ファイザーのワクチンを2回接種した群では、デルタ株に対する有効性は88%だった。同時に調査した英アストラゼネカ製ワクチンの有効性は2回接種後に67%。ちなみに、それぞれのメーカーが行った臨床試験(従来株)ではファイザーで95%、アストラゼネカで76%の有効性が確認された。
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