米国人が今、最も働きたい中国企業はどこだと読者諸氏は考えるだろうか。アリババ、テンセントといった巨大企業だろうか、あるいは中国のIoT(モノのインターネット)の旗手であるシャオミや、TikTokで有名なバイトダンスだろうか。
いずれも違う。正解はVIPKIDというオンライン英会話サービス会社だ。日本ではあまり知られていないが、米メディアでは注目を集めている。経済誌『フォーブス』では、米アマゾンや同デルなどを抑え、「ベスト在宅勤務企業2018」ランキングで1位(20年は3位)に輝いた。現在、10万人強の北米人が同社と関係を持つ。
中国での教育熱は日本同様、世界的に見ても高い水準にある。教育費は家計支出の15%を占め、米国の2%をはるかにしのぐ。とくに英語教育が重視されており、国全体で年間150億ドル以上が使われている。数学などほかの科目と比較すると、英語教育の市場規模は4倍に達する。
英語教育への需要が高まっていくのは明らかだった。一方で中国では、毎年1800万人の新生児が生まれるのに対して、国内には、北米ネイティブの英語教師は2.7万人しかいない。供給が追いつかない状況では、価格の高騰に歯止めがかからない。対面式の1対1の英会話授業は1回当たり600人民元(約1万円)もかかり、通学時間も負担になった。
中国で英会話教室を経営していた米雯娟(ミィウエンジュエン)氏は、そこに商機を見いだす。北米の英語教師と中国の子供たちを結び付けるというアイデアを発想したのだ。
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