推薦者|東短リサーチ 社長 加藤 出

テクノロジーの進展とともに拡大するデジタル通貨は、いくつかに分類できる。比較的消費者になじみのあるペイペイなどの電子マネー。円など法定通貨の裏付けがないビットコインなどの仮想通貨。後者は法定通貨との交換レートが乱高下するため、各国中央銀行は暗号資産と呼びたがる。
そこで、ステーブルコイン(法定通貨を裏付け資産とする仮想通貨)として、米フェイスブックが導入予定のディエム(旧称リブラ)が注目された。ただ通貨発行権を脅かされ、マネーロンダリング懸念も残るため、当局としては管理規制を重視する姿勢。そもそもブロックチェーンを使って管理コストを低減するのが仮想通貨のメリットだが、現状は迷走している。
その中で、中央銀行にもデジタル通貨(CBDC)開発の動きが出てきた。先進国でCBDC発行への距離が近いのがスウェーデン。北欧は経済・金融のデジタル化を国家戦略として進め、その文脈でキャッシュレス化が最も早く起きた。ただ、お札を使わなくなると将来的に中央銀行の存在意義が危うくなるとの懸念もあり、スウェーデンはCBDC(eクローナ)の実現可能性を調査中だ。
中国もデジタル人民元の利用実験を進めているが、あれは“アリババたたき”が狙いだ。アリババグループのアリペイやテンセントホールディングスのウィーチャットペイが普及し独自の経済圏が拡大すれば、中国当局にとっては脅威。民間で進めてきたキャッシュレス市場を当局が奪おうとしている。
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