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銀行融資「狭き門」の突破法 1棟物件のフルローンは困難に

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保有資産から年収、投資経験まで、金融機関による選別が強まる

「ビジネスパーソンが1棟物件のフルローン(物件価格満額の融資)を引くのは困難」

住宅コンサルティング会社「MFS」の浦濱純一不動産投資ローングループリーダーはそう話す。

2017年ごろまでは、運用難の金融機関が個人向け不動産投資ローンを強化し、「借り手優位」の状況だった。年収1000万円に満たないビジネスパーソンが、1億円もの1棟アパートやマンションを購入するためにフルローンを引く光景が日常的に見られた。

転機が訪れたのは18年。スルガ銀行によるシェアハウス向けローンで不正が発覚して以降、物件価格の1~2割が頭金として求められるようになった。MFSの調査によれば、諸費用と合わせて少なくとも2割弱は頭金を求める金融機関が多いようだ。

自己資金を工面できない投資家がふるい落とされた結果、1棟物件は流動性が落ち、物件価格は頭打ちになった。対照的に、提携する不動産業者経由で申し込めば容易にフルローンが引ける区分マンションの引き合いが増えている。

その区分マンションでも、融資環境に変化が出ている。物件よりも個人の属性が重視される区分マンション融資では、これまでは年収が400万円あればフルローンを引けていた。だが、この1~2年は「年収500万円でも勤務先が大手企業や上場企業でなければ、否決される例が増えている」(投資用マンション販売業者)。

区分マンションへの融資に積極的なオリックス銀行は、融資期間が最長45年間のローンの取り扱いを今年4月に終了した。理由について塩貝明大執行役員は、「雇用環境が変化し顧客の給与に不透明感がある。賃貸市場の先行きを見極めたい」と話す。コロナ禍で解雇や給与削減が増える中、物件を売却するときの損失に耐えられなくなるオーナーが出るリスクも考慮したようだ。

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