転売の大きな儲けを黙って懐に入れていたら、ある日突然、自宅に税務調査官がやってくるかもしれない──。昨年11月、国税庁が発表した調査結果(2019年7月〜20年6月)では、インターネット取引における無申告が1680件で、追徴課税は65億円だった。この額は前年度より12%増え、国税庁がネット取引に関する追徴税額を16年に公表して以降で最高となった。
国税庁は、フリマアプリやネットオークションだけでなく、仮想通貨などのネット取引を行っている個人に対しても積極的に調査を実施する方針だ。こうした取引を通じて多額の利益を手にした人たちは確定申告の手続きになじみがないとみられ、適正な課税の確保に力が入れられている。
国税OBの船着貴史税理士は、転売行為について、「家財や不要になった服など『生活用動産』と呼ばれるものを売却して得た利益は課税されない。だが、継続的な転売行為で利益を得ていた場合、個人だと雑所得として確定申告が必要となる」と解説する。
確定申告が必要かどうかは、転売の利益額で決まる。会社員などの給与所得者が副業で転売を行い、利益が20万円を超える場合は申告の対象だ。転売の利益額と合算して年間の所得を算出し、所得総額に応じた税率が課される。
無申告が判明したら、納付すべき税額に20%の加算税(50万円までは15%)が、事実の隠蔽などとくに悪質と見なされると重加算税が課される。加えて期限後に税金を納めることになるので延滞税も発生する。
「マスクの転売をはじめとした高額転売が社会問題として認知されたのは20年から。21年2月からの確定申告をしなければ、忘れた頃に税務調査官はやってくる」(船着税理士)
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