他社に先駆けて豪華列車「ななつ星in九州」を導入したり、不動産をはじめとした非鉄道事業を強化するなど、大胆な経営で業績を伸ばしたJR九州。2016年に株式上場にこぎ着けたが、同社のその積極姿勢がコロナ禍で裏目に出ている。
17年に大々的に投入を発表し、20年に完成した新型高速船「QUEEN BEETLE(クイーンビートル)」。博多港と韓国・釜山(プサン)を結ぶ路線に就航していたが、運航停止状態が続いている。
格安航空会社(LCC)の攻勢にさらされていた当時、価格競争からの脱却を目指し、内装に趣向を凝らした設計のクイーンビートルを約57億円かけて建造した。ななつ星のおよそ2倍の金額だが、ななつ星の成功体験がこの計画を後押しした。
だがタイミングが悪かった。日韓関係の急速な冷え込みに加え、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた。就航時期が見通せず、JR九州は20年3月期決算でクイーンビートルの建造費の全額を減損損失として計上した。既存の3隻も、「売却も含め、あらゆる可能性を検討する」(青柳俊彦社長)という。
長崎新幹線も計画変更
20年10月に運行を始めた豪華列車「36ぷらす3」もタイミングが悪かった。ななつ星をデザインした水戸岡鋭治氏によるゴージャスな内装が特徴だ。20年10〜12月の利用実績は92%とほぼ満席だったが、「1〜3月は利用実績と予約状況を合わせて52%」(JR九州)にとどまる。
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