医薬品メーカーの営業職であるMR(医療情報担当者)。担当している医療機関に足しげく通い、医師や薬剤師に自社の製品の処方を増やして使ってもらえるよう、営業を繰り返すのが仕事だ。
MRは医薬品メーカーでは研究職と並ぶ花形職種で、高給取りの代名詞として知られる。武田薬品工業や第一三共等の大手メーカーなら、40歳で年収1000万円超は当たり前。福利厚生も充実している。昔は「MRといえば医師への過剰接待」のイメージだったが、現在では業界の自主規制で医師に接待する機会もほとんどない。
そんなMRだが、製薬業界ではこの2〜3年で早期退職者を募集する、“リストララッシュ”が起きている。これは外資系だけでなく、国内企業も人員削減しているのが特徴だ。
医療の現場ではデジタル化が進み、医師が薬の情報を得る手段は多様化。以前に比べてMRの存在感は薄れている。がんや患者数の少ない難病等、MRにとって、営業先の医師の数が限られる薬にシフトしていることも無視できない。
国内最大手の武田は2020年8月、30歳以上で勤続3年以上の国内営業部門の従業員を対象に、希望退職者を募集。MRはそれまで約2000人おり、詳細は不明だが、今回は500〜600人が応募したとささやかれる。各現場の3〜4人に1人が会社を去った計算だ。
武田の場合、国内企業史上最高額の6.2兆円を投じたアイルランド製薬大手・シャイアーの買収を、19年1月に完了している。それから2年間、買収の代償で背負った巨額負債を圧縮するため、保有資産の売却を続けてきた。「今回のリストラも経費削減が狙いではないか」(国内製薬会社の元財務担当者)。
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