クラシック界のイベントスケジュールは、早い段階でかなり先まで決まるということに関して、ほかの多くのジャンルを凌駕する。例えば、クラシック音楽専門誌『音楽の友』は、毎年9月号で「翌年の来日演奏家速報」を特集。来日するオーケストラや指揮者、演奏家の名が、室内楽からオペラまで月ごとに並ぶ。来年は何を聴きに行こうかとあれこれ想像するワクワク感は、筆者がクラシックに興味を持ち始めた高校生の頃から変わらない。
ところがコロナ禍の現在、長ければ公演の1年前、通常でも半年前には売り出されていたチケットが、コンサート直前まで発売されないままになっているケースを散見する。春先から初夏にかけて予定されている来日公演の多くも、今は様子見の段階だ。先が読みにくい状況の中で、コンサートのあり方はもとより、聴く側のスタンスも微妙に変化しているのだろう。クラシックの公演に関しても、短期間での効果的なプロモーションが求められる時代に突入した。
一方、2020年に盛んに行われた無観客公演のオンライン生配信、「ライブストリーミング」は、コンサート会場の入場者数規制の緩和に伴い、有観客公演と配信のハイブリッドという新たなスタイルに変化しつつある。これは演奏者の収入増につながるとともに、ファン層拡大の有効な手段となるだろう。
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