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ライフ #人が集まる街 逃げる街

観光の通過点から脱却できるか 大月市 [山梨県]

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

東京の人が中央自動車道で河口湖方面に向かうとき、大月ジャンクションは重要なポイントだ。ここで間違えると甲府のほうに行ってしまう。また、新宿駅から電車に乗って長野・松本方面に出かけるとき、特急「かいじ」で八王子を過ぎて間もなく停車するのが大月駅。この駅で下車する人の多くは富士急行線に乗り換える。

大月という地名は首都圏在住者に比較的よく知られているものの、実際にこの街で仕事や観光をした人の話はほとんど聞かない。

大月市は山梨県東部にあり、周囲を秩父山地、御坂山地、丹沢山地などに囲まれている。市の南部は相模川の源流である桂川や支流の笹子川、葛野川などが流れる。人口は約2万3000人だ。

この街は、東西を中央自動車道、甲州街道と呼ばれる国道20号、JR中央本線が貫き、南北には奥多摩から河口湖に抜ける国道139号、そしてこれに沿うように富士急行大月線が走る交通の要衝だ。中央本線の特急なら新宿まで1時間強、八王子まで30分弱だ。

市制が施行されたのは1954年だが、当時は人口が4万人を超え、繊維業や林業の街として栄えていた。その後80年から95年ごろまでは半導体メーカーが立地し、また、東京が受け入れきれなくなった働き手の住宅を確保するべく団地などが建設された。

だが、平成バブル崩壊後は、交通の便のよさは街からの人口流出を加速させた。代表的な産業であった繊維業や林業の衰退にも拍車がかかった。

こうした傾向に歯止めをかけようと、大月市は「着地型観光」を核とする交流、移住定住促進を企図し、里山体験や親水体験などを通じて移住者や観光客の誘致に努めてきた。ただ、近年は急速に都心居住が進んでいる。また、観光面でも河口湖方面に向かう観光客の通過点という役割から脱することができず、目立った成果は上がっていない。

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