「景気回復は東京より遅れるくせに、落ちるときは一緒」。大阪地盤のデベロッパーの幹部が自嘲気味に話していたことが、現実味を帯びている。
リーマンショック後、大阪のオフィス市況は東京より回復に時間を要した。一因は2013年に大阪駅前に供給された「グランフロント大阪」だ。計3棟の超高層ビルで、オフィス用途の延べ床面積の合計は約23.6万平方メートル。オフィス市場は一気に飽和状態となり、当のグランフロント自身も開業時の契約率は約2割と伸び悩んだ。
オフィスを供給しても需要がない──。テナント確保に苦しむグランフロントの姿が、デベロッパー各社の脳裏に焼き付き、新築オフィスビルの供給機運はしぼんでいった。
代わって台頭したのが、訪日客需要に沸いたホテルだ。厚生労働省によれば、大阪市内のホテルや旅館の客室数は15年度からの3年間で3万室以上も増加した。土地の入札でも高い金額を提示するホテルに対して、オフィスが負けることも少なくなかった。
新規供給だけでなく、既存ストックも縮小していく。8月に関電不動産開発が市内に開業したホテルは、自社のオフィスビルを建て替えたものだ。
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