「流動性という音楽が止まったら厄介なことになるが、音楽が流れている限り、踊りを続けざるをえない。われわれはまだ踊っている」。これは2007年7月に、米シティグループの最高経営責任者が英紙に語った言葉だ。その翌年の9月、低金利と過剰流動性の下で住宅バブルに踊った米リーマン・ブラザーズが破綻。10月にはシティなど米大手銀行へ巨額の公的資金が注入された。
あれから12年。今また新たなバブルが取り沙汰されている。新型コロナ禍で戦後最大の経済危機に陥った世界各国で異例の金融緩和と財政出動が実施され、3月を底に株価が跳ね上がった。とくに米国では主要株価指数のS&P500やナスダックが今夏に史上最高値を更新。景気と企業業績の実態から逸脱した「コロナバブル」との見方が強まった。9月に入ると反騰牽引役の大手IT企業から株価は調整気味にある。
株価のバブル度を測る指標として、著名投資家バフェット氏が重視するのが「株式時価総額の対GDP(国内総生産)比率」。米国の現在値は1999年末のITバブル期の約1.6倍を超え、戦後最高水準にある。同氏が日本の商社株を大量買いしたのは「米国株に対して日本株の割安感が強まったため」(米系証券幹部)とされる。
では、これで米国の「バブル」は収束に向かうのか。そうは思えない。基調の「音楽」は今後も長期にわたって流れ続けるからだ。
25年までゼロ金利も
FRB(米連邦準備制度理事会)は9月半ばのFOMC(連邦公開市場委員会)で、労働市場が最大雇用に達しインフレ率がしばらくの間2%を適度に上回るまで、政策金利を実質ゼロに据え置く方針を決めた。これは8月末に導入した金融政策の新たな枠組み、すなわち「雇用最大化の追求強化」と「平均インフレ目標」をフォワードガイダンスに反映させたものだ。
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