新常態のアメリカを知る4つのテーマ
「もし彼が8年間ホワイトハウスにとどまり続ければ、この国の性格は根こそぎ変えられてしまうだろう」。米民主党の大統領候補、ジョー・バイデン前副大統領は「打倒トランプ」へボルテージを上げる。迎え撃つドナルド・トランプ大統領も叫ぶ。「彼は社会主義のトロイの木馬だ。彼が勝てばアメリカンドリームは解体される」。
11月3日の投票日が刻々と迫る米大統領選挙。両陣営の中傷合戦は目を覆いたくなるほどだが、これが国民の投票によって国家元首を選ぶ超大国・米国の現実だ。折しも日本では安倍晋三政権の退陣が決まり、「菅義偉政権」が発足しようとしている。この重要な節目の機会を捉え、米国の政治・外交・経済・社会の新たな潮流を「新常識」として検証し、将来を展望するのが本特集の趣旨だ。
Part1|大統領選
まずパート1では、大統領選の行方について現地報告を交えて見ていく。「大統領選のノストラダムス」の異名を取る選挙分析のプロは「バイデン勝利」と断言した。
今年の選挙戦は新型コロナ禍と大恐慌以来最悪の景気後退など異例ずくめ。郵便投票の急増は波乱含みだ。最大の争点は「トランプ政治」の是非。分断・対立をあおって利益をもぎ取る政治手法へ審判が下される。下図に見るように、医療保険、コロナ対策、人種、気候変動問題ではとくに両候補支持者の意識の分断が明らかだ。また、勝敗のカギを握るスイング・ステート(接戦州)には製造業が盛んな州が多く、自動車産業などの景況に左右される。寺島実郎・日本総合研究所会長は、トランプ氏による形勢逆転を狙った「オクトーバーサプライズ」について警告を発する。

Part2|外交
パート2では迷走が続く米国の外交政策に焦点を当てる。とくに注目されるのが米中関係だ。米国民の対中イメージは過去最悪。対中強硬路線は超党派の流れだ。中国が南シナ海へ中距離弾道ミサイルを4発発射。すでに貿易戦争の域を超え、朝鮮戦争以来の米中武力衝突の危機とも警告される。そのリスクを検証する。東アジア外交に精通するケント・カルダー教授には、バイデン氏の対中政策を含めて米国の出方を聞いた。
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