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トーマス・コーカン教授「低賃金労働者への影響甚大」 米MITビジネススクールの泰斗に聞く

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米マサチューセッツ工科大学(MIT)ビジネススクール教授 トーマス・コーカン(Thomas Kochan)MITスローン・スクール・オブ・マネジメント(経営大学院)教授として、米雇用政策などを研究。MITスローン仕事・雇用研究所の共同所長も兼務。著書に『Shaping the Future of Work』(『仕事の未来を形作る』未邦訳)。

米マサチューセッツ工科大学ビジネススクール教授で、米国の雇用問題に詳しいトーマス・コーカン教授に話を聞いた。

週刊東洋経済 2020年6/27号
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コロナ禍は大恐慌以来の危機だ。2007〜09年の金融危機より、はるかに広範で深遠な影響が雇用に及んでいる。当時は失業率が11%に達しなかったが、今年4月には14.7%を記録した。仕事探しを諦めた人を含めると、優に20%を超えていたはずだ。

各州で経済が再開したが、正常化への道程は遠い。航空業界や、さらなるレイオフが予想される政府機関、(オンライン授業への移行で)今後に大きな疑問符が付いた大学など、影響は長期的だ。

健康を脅かす危機であるため、景気回復の正常なツールがなく、不確定要素が多い。人々をどのタイミングで職場に戻すべきか、雇用主から知事まで、多くの意思決定者が必要だ。雇用主は、従業員の職場復帰を急ぎすぎた場合に生じる法的責任などを案じている。

一方、金融危機との大きな類似点は格差の悪化だ。今回、最も直接的な影響を受けたのは、レクリエーション・接客業界の低賃金・時給労働者だ。こうした業界では雇用の回復が、より遅く、より小規模になるだろう。労働市場の底辺層を支える策を講じないと格差が広がり、社会不安が高まる。

また、金融危機では主に男性の収入が大幅に減ったが、今回は、女性のほうが数多く失業している。新卒への影響も心配だ。金融危機では多くの若者がまともな仕事に就けず、不完全雇用に甘んじ、卒業後すぐにキャリアを築き始めることができなかった。

今回、ヘルスケアや宅配、食料品店などで働く人々は私たちの生活に欠かせないサービスを提供したが、そうした業界を支える人種的マイノリティーや移民、女性は、米国経済の繁栄にとって非常に重要な存在だ。彼らの賃金を引き上げないと、格差が拡大する。

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