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経済対策の規模でなく使い方を問う 金額を達成させるために積み上げた感のある内容には違和感

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  • 佐々木 融 ふくおかフィナンシャルグループ チーフ・ストラテジスト
ささき・とおる 2015年6月から現職。03年4月からJPモルガン・チェース銀行でFXストラテジストとして金融市場を調査・分析。その前は日本銀行に勤務、調査統計局などを経て、国際局(当時)為替課で為替市場介入を担当、ニューヨークで米国金融市場分析も担当した。(撮影:今 祥雄)

筆者のテレワークも1カ月が経ち、もはやこうした働き方を普通のことと感じ始めている。もちろん会社で仕事をするのに比べると若干不便で、最初はフラストレーションを感じたりもしたが、今ではそうした環境自体に慣れ始めている。

今回の新型コロナウイルス感染拡大が社会や経済に与える影響がGFC(Great Financial Crisis、リーマンショック)を超えるものとなるのは確実だろう。JPモルガンは2020年の世界全体の実質GDP(国内総生産)成長率がマイナス4.7%まで落ち込むと予想している。GFC時の09年はマイナス1.8%だったので、3倍近いマイナス幅だ。

新型コロナウイルス感染拡大はいずれ収束するであろう。しかし今回の世界経済への打撃は、今後の世界の経済環境、人々の働き方や価値観、生活習慣に対して甚大な影響を与えるものとなるのではないかと思う。

効果とスピードが重要

そうした中、日本では国民1人当たり10万円を支給する経済対策で盛り上がっている。こうした経済危機への対策に関して、日本ではいつも、「事業規模」にせよ「真水」にせよ、金額の大きさが話題になる。今後も、「リーマンショック時を上回る規模の金額の経済対策」などと繰り返し喧伝されるのだろう。

しかし、本当に重要なのは金額の大きさではなく、早く支給され、その結果どれだけの効果があったのかというスピードだと思う。

実はGFC時の日本政府による景気刺激策は、「真水」で見ても、対GDP比で米国にさほど引けを取らない大きさだった。しかし、その後の日米経済の間には大きな差がついてしまった。

米国の名目GDP実額を年間の数字で見ると、GFCを挟んだ07~09年の3年間はほとんど同レベルで推移し、10年から増加を始めた。そして昨年の名目GDPはGFC直前の07年の1.5倍の規模まで膨らんでいる。一方、日本の名目GDPは、08年、09年と減少し、その後15年になってようやく07年と同じ水準を回復できた。そして昨年の日本の名目GDPの規模は07年に比べて4%程度しか伸びていない。昨年の実質GDPを07年と比べると、米国は20%以上拡大しているが、日本は6%程度の拡大にとどまっている。

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