ハワイの人々が新型コロナウイルスの感染に意識を持ち始めたのは2月下旬のことだ。3月に入ると「ホノルルフェスティバル」やフラの祭典「メリーモナーク」などのビッグイベントが相次いで中止となり、事態を重く受け止める人も増え始めた。
3月17日には感染者がまだ50人未満にもかかわらず、ハワイ州のデービッド・イゲ知事が30日間の渡航自粛を要請。観光客で人々の生活が成り立っているハワイで、知事が「観光客はハワイに来ないでほしい」とのメッセージを出したことに誰もが驚いた。
翌週の24日には、自宅待機令が出され、4月30日までの間、不要不急の外出は禁止、在宅勤務が求められることとなった。観光客はホテルなどの滞在先にとどまることになる。病院、買い物、銀行など生活に必要な外出は認められているが、自宅待機令発出後は、地元大手銀行のセントラルパシフィックバンクが、支店のいくつかを休業にした。
ハワイ州の面積は決して大きくなく、本土とは海を隔てていることから、自給自足率が低く、物資が届かないとたいへんなことになる。 毎年最低でも5つ6つはハワイ方面にやってくるハリケーンも物流を止める要因の1つ。米国、メキシコ付近でハリケーンが発生し、ハワイ方面に進路が定まると、ニュースで「2週間分の食料を補給してください」というメッセージが流れる。ガソリンスタンドには給油を待つ自動車で長蛇の列ができ、スーパーも混み合う。
実際にはハリケーンのほとんどがハワイ諸島に上陸せず、「心配しすぎだった」と胸をなで下ろすことになるわけだが、ハワイの島民は気象キャスターの言葉に不満も言わず、毎回買いだめに走る。
今回も知事の要請は真剣に受け止められ、レストランはテイクアウト対応に変わった。そのテイクアウトの料理を待つ人たちも、「ソーシャルディスタンス!」とお互いに声をかけ合う。スーパーも一度に店内に入れる人数を決め、外では1~2㍍間隔で待つなどの徹底ぶり。ただ、これだけ気を使いながらも4月5日正午時点の感染者は370人を超え、死者は4人となった。
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