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傑作『ポーギーとベス』30年ぶりのMET上演 METライブビューイング今シーズン最大の注目公演

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  • 田中 泰 日本クラシックソムリエ協会 代表理事
30年ぶりのMET上演となった、ガーシュウィンの傑作オペラ『ポーギーとベス』(©Paola Kudacki/Metropolitan Opera)

映画館でオペラを楽しむ「METライブビューイング」2019-20シーズン最大の注目公演、ジョージ・ガーシュウィンの『ポーギーとベス』の上映が目前だ(4月3~9日)。驚くべきは、今回の公演がMET(米ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場)での30年ぶりの上演であること。ガーシュウィンの出身地ニューヨークでのこの状況から、オペラ界における『ポーギーとベス』の位置づけが垣間見える。

ガーシュウィン(1898~1937)が世に出たきっかけは、作詞家の兄アイラと生み出したポピュラーソングの数々だ。名曲「スワニー」などの大ヒットで一躍人気作曲家となったガーシュウィンは、クラシック音楽にも活躍の場を広げる。オーケストラの作曲技法を身に付けるため、当時の現役最高の作曲家たちの門をたたいたときの話が面白い。

ガーシュウィンの巨額の印税収入を知ったストラヴィンスキー(1882~1971)は「私があなたに学ぶほうがよさそうだ」と語り、ラヴェル(1875~1937)は「すでに一流のガーシュウィンが二流のラヴェルになる必要はない」と諭したという。伝説的な音楽教師ナディア・ブーランジェ(1887~1979)も「ガーシュウィンの生まれながらの音楽的才能を邪魔したくない」という理由で指導を断った。“完璧な音楽家”と称されたガーシュウィンならではのエピソードだ。

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