三菱グループ金曜会世話人会13社のうちの1社で、御三家に次ぐ4番手とされる三菱地所。1890年に三菱が明治政府から東京・丸の内一帯の払い下げを受けたことが発祥だ。
通称「丸の内の大家さん」。今も「大丸有」(大手町、丸の内、有楽町)エリアに約30棟のビルを保有する。大企業の本社が集積し、賃料水準も日本屈指。盤石な収益基盤に対しては、同業他社からうらやむ声が上がる。
大型開発計画も進む。2027年度竣工予定の「東京駅前常盤橋プロジェクト」。3.1ヘクタールという広大な敷地に、超高層ビルのほか変電所や下水ポンプ所といったインフラ施設を整備する。高さ390メートルのB棟が27年度に竣工した暁には、晴れて「日本一高いビル」の称号を手にする。プロジェクトへの総投資額は1兆円を超える見通しだ。
だが、悩みもある。常盤橋プロジェクトのA棟が竣工する21年で大型のビル開発は一服する。27年度竣工の同B棟まで、大丸有以外のエリアを含めても、新規の大規模プロジェクトが少ない「空白期間」を迎える。
そんな端境期を狙って打ち出したのが、これまで開発に取り残されていた有楽町の再構築だ。1月下旬に発表した「丸の内NEXTステージ」では、常盤橋と並んで有楽町が重点更新エリアに設定されている。有楽町再開発のイメージ(上写真)では、イベントホールやイノベーションを育む交流施設など、通常の賃貸ビルにはない機能が備わる。「単なる建て替え事業でなく、エリアをどう変えていくかを考えるのが三菱地所の使命だ」(吉田淳一社長)。
すでに今年2月、個人のビジネスアイデアの事業化を手助けするコミュニティースペース「SAAI(サイ)」を新有楽町ビルに開業させた。ここで評価された事業は、隣の有楽町ビルで実際に商品を試験的に販売したり、投資家などへプレゼンテーションしたりする機会を地所から与えられる。有望な事業に対しては「地所自身が出資する準備もある」(井上成・新事業創造部担当部長)。
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