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「部品や衣食住分野に強み、宇宙開発を地球で生かせ」 インタビュー/宇宙飛行士 東京理科大学特任副学長 向井千秋

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むかい・ちあき 1952年、群馬県生まれ。77年、慶応義塾大学医学部卒業。医学博士。94年、日本人女性宇宙飛行士として初めて宇宙に滞在。(撮影:今井康一)
宇宙市場は拡大しているが、ロケットや人工衛星では米国やロシアとの競争が激しい。その中で「宇宙ビジネスの視野を広げよ」とし、日本の得意分野を生かすことを提唱するのが宇宙飛行士の向井千秋氏だ。

──宇宙ビジネスについてロケットや人工衛星から一歩引いてみてみることを勧めています。

宇宙開発というとロケットや衛星の打ち上げそのものをイメージしてしまうことが多いが、そうした分野は世界での競争が激しい。日本はそれ以外の分野でできることを考えるべきだ。実際、宇宙ビジネスは幅広い。例えば、ロケットの製造には高度な部品が必要だ。また地球を観測した衛星データを分析して販売することも行われている。将来的に人類が宇宙に出ることが本格化すれば、宇宙での食事や居住など生活について考える必要もあり、宇宙関連の需要は広がっていく。

──日本は「H2Aロケット」の打ち上げ成功率が97.6%と極めて高いなど、ロケット打ち上げの技術力も高く評価されています。

確かに探査機でも「はやぶさ2」が小惑星の狙った場所にピンポイントで着陸できるなど、先進的な技術はある。ただ、国際競争力は技術だけで決まらない。

ロケットであれば多くの受注を取り、大量生産し、打ち上げ回数を増やさないとコストパフォーマンスが悪く、価格競争力で海外には勝てない。地理的にも米国や中国は広大な土地に打ち上げ基地を設置できる地の利がある一方、日本には限られた土地しかない。

ロケットや衛星本体よりも、「はやぶさ2」でも見せた高い技術力やそれに使われる先進的な部品など、日本にしかできないニッチな部分を強みにするのはどうか。探査機でも「この日本企業のネジでないといけない」という部品もある。宇宙事業を支える周辺産業であれば、企業も低いリスクやコストで拡大していく宇宙ビジネスに参入できる。

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