2020年代の世界経済は10年代よりも成長が鈍る公算が大きい。もちろん西側先進国と中国の生産性が目に見えて改善するとか、インドとアフリカの経済成長が加速するなら、この限りではない。
確報値が出るのはもう少し先だが、10年代の世界の経済成長率は年率3.5%程度に落ち着くとみられる。00年代の成長率に近く、1980〜90年代の3.3%をやや上回る水準だ。過去20年間にわたって世界経済が多少なりとも拡大したのは、ほぼ完全に中国のおかげといえる。
逆にいえば、多くの国は潜在成長率を下回る成長しか成し遂げられなかったということだ。理屈からいけば、世界経済の成長率は10年代に年率4%を上回ってもおかしくなかった。しかし、そうは問屋が卸さなかった。ユーロ圏経済は予想以上に弱く、ブラジルとロシアの成長率も大きく落ち込んだ。
今後10年の見通しはこれまでの10年と比べても明るくはない。中国は労働人口がすでに減少に転じ、経済成長率も今後は趨勢的に下がっていく可能性が極めて高い。日本、ドイツ、イタリアなどほかの主要国も、人口減に加え高齢化が進む。つまり生産性が大幅に向上しない限り、経済成長率は上がらないということだ。財政政策を拡大すれば成長率を一時的にかさ上げできるが、このような景気浮揚策の効果は普通、長続きしない。
00年代初頭に私が「BRICs」(ブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国)の経済見通しを公表し始めた当初から、中国がいずれ頭打ちになることは見えていた。10年代初頭までに労働人口が減少し始め、経済に下押し圧力がかかるようになるのは当時からはっきりしていた。中国の実質成長率は20年代に4.5〜5.5%になるという予測を私がはじいたのは、こうした理由からだ。中国がこれを上回る成長を成し遂げるには、よほどの生産性向上が必要になる。
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