日本一の水揚げ量を誇る銚子漁港で有名な千葉県銚子市。漁港から程近い場所に立つ市役所(庁舎)は、8階建てにもかかわらず6階から上の3フロアには「関係者以外立ち入り禁止」の貼り紙が貼られている。職員や来庁者が使えるのは、5階以下のフロアのみだ。「2012年に耐震診断を行った結果、庁舎全体が耐震基準を満たしておらず、上層階はとくに倒壊リスクが高いことがわかったため使えなくなってしまった」(銚子市の担当者)。
市区町村の庁舎の耐震化が急務だ。全国の市区町村の庁舎は耐震基準が現行のものに変わった1981年より前に建築されたものが多く、総務省が行った調査では、全国1741の自治体のうち24%で本庁舎の耐震化が完了していなかった(18年3月末時点)。さらに、約7%の自治体では耐震化の予定すら決まっていない。銚子市の市庁舎も75年に建てられてから45年が経っており、震度6強で倒壊するおそれがある。
転機は16年の熊本地震
庁舎の耐震化が注目され始めたのは、16年4月に起きた熊本地震の影響が大きい。地震で被害を受け、八代市や益城町など多くの自治体の庁舎が使用不能に陥ってしまったからだ。そのほとんどは現行の耐震基準を満たしていなかった。
そのため、国は17年度から自治体の庁舎の耐震化を推進。それまで改修にしか適用されなかった財政措置の対象を建て替えにも広げた。国の措置を受けるには20年度までに耐震化計画を決めることが条件。現在、多くの市区町村で建て替えや検討が進んでいるのにはこうした背景がある。
だが、下の表を見てほしい。埼玉県の入間市と幸手市は建て替え計画が決まったものの、首都圏でも耐震化されていない自治体が少なくない。これらの自治体が口をそろえるのが「財政の厳しさ」だ。
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