2019年4月に施行された就労資格「特定技能」。政府が入管法(出入国管理及び難民認定法)を改正し、設けた制度だ。これまでの「技能実習制度」や留学生のアルバイトなど「資格外活動」の未熟練労働者と、専門的な知識・技術が求められる高度人材外国人の間を埋める中レベルの技能労働者を積極的に受け入れるためだ。就労だけでなく実際の生活支援も盛り込んでおり、その運用と実効性が注目されてきた。
特定技能は労働スキルのレベルによって1号と2号がある。1号は介護やビルクリーニング、素形材産業などの14分野、2号は建設と造船・船用工業の2分野が対象となる。今後5年間で最大34.5万人を受け入れる見込みだが、施行8カ月段階での受け入れ人数は約300人にとどまっている。
これについて日本総合研究所副理事長の山田久氏は「現状はその程度だろう」と評価する。それは、法改正が通常のものよりは短期間の突貫工事で行われたことがあり、受け入れるための試験の実施回数も少なく、雇用する企業への周知や運営ノウハウも十分に行き渡っていないためだ。制度自体は「適正に運用できれば問題はない制度」(山田氏)であり、今後の整備次第では受け入れ人数も増えてくるとみている。
世界的に見ると日本はすでに外国人労働者大国だ。18年10月末時点で約146万人、OECD(経済協力開発機構)でもドイツや米国、英国と並ぶ多さ。13年からの5年間で倍増している。

今回の法改正は、一定の技能を持った優秀な外国人の長期滞在にも道を開いた(特定技能2号)。「短期間で人が入れ替わることは、長期的に見ても日本産業にとってよくない」(山田氏)。そのためには、特定技能だけでなく、外国人労働者の受け入れ制度全体も継続的に整備・改善する必要がある。
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