先日、北京で国有銀行の支店に立ち寄った。以前はお客でごった返していた店内。今は嘘のようにお客がいない。ズラッと並んでいたATMなどの機械も減り、そこに行列ができることもない。現金を使用する中国人は珍しい、と言われて久しいが、まさにその実態が如実に表れていた。
当然、中国のネットニュースはキャッシュレス決済の急増による各銀行の店舗閉鎖や職員のリストラを報じる。しかし、問題はキャッシュレスだけではなさそうだ。
旧知の金融関係者に会ってみた。彼は国有銀行の幹部であり、以前は非常に羽振りがよく、豪華な食事を何度もごちそうしてくれた。だが今回は「非常に忙しいので簡単な食事を」と言い、わずか40分で席を立った。「経済成長の鈍化で不良債権が増加し、その責任は融資した担当者が取らされる。債権回収業務が増えている」という。
先日、中国政府は第3四半期のGDPが二十数年来最低の6%だったと発表したが、「銀行員の感覚ではこの数字よりはるかに低い成長しかしていない」「どこの銀行も業績が悪く、米中貿易戦争は簡単に終わらないとみられるので、景気の回復は当面期待できない」と、中国の銀行が現在置かれている状況を語ってくれた。
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