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不振の子会社を“巨額買収"三菱ケミカルHDの危機感 傘下の田辺三菱製薬を完全子会社化

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グループを率いる越智社長(右)は、成長のための完全子会社化だと強調した

4918億円もの巨費を投じる大型TOB(株式公開買い付け)だ。国内最大の総合化学グループである三菱ケミカルホールディングス(HD)が、傘下の上場子会社、田辺三菱製薬を完全子会社化し、上場廃止にする。現在の出資比率は56%だが、来年1月までに残りの全株をTOBで取得する。発表前株価の5割増しで買い付ける。

田辺三菱は、2007年に田辺製薬と、三菱ケミカルHD傘下の三菱ウェルファーマが合併して誕生した。18年度売上高は4247億円。国内販売額が業界6位の中堅で、三菱ケミカルグループのヘルスケア部門の柱を担っている。

「デジタルや生化学などの技術進化が激しく、医薬やヘルスケアのビジネスはこれから大きく変わる。グループの力を結集し、将来の成長につなげたい」。11月18日の記者会見で、三菱ケミカルHDの越智仁社長は、完全子会社化する理由をそう説明した。

念頭にあるのが、従来の医薬品では難しかった病気の治療や機能回復手段として注目される再生細胞医療だ。三菱ケミカルHDは傘下の生命科学インスティテュートで再生医療の臨床試験を進めており、こうした分野で田辺三菱とのシナジーを期待しているという。

特許係争が追い打ち

ただ、このタイミングで完全子会社化に踏み切る背景には、田辺三菱の厳しい台所事情もある。現在、同社で売上高が最も大きいのは関節リウマチ薬「レミケード」だが、すでに特許が切れ、後発薬に押されて販売が年々減っている。ほかの製品群も特許切れが多い。

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