DNVB(デジタリー・ネイティブ・バーティカル・ブランド)が米国のeコマース市場を席巻している。「単一カテゴリーブランドのメーカー」かつ「デジタルを起点にした直販モデル」が特徴だ。代表格は「ダラー・シェーブ・クラブ」。カミソリ中心のメンズグルーミング特化型メーカーで、オンライン直販による替え刃の定期購買制で消費者の支持を得た。そのビジネス規模と成長率は、2016年にユニリーバが10億ドルという巨費を投じて買収したことから推して知れる。
単一カテゴリー(英語ではカテゴリー/業界を「バーティカル」ともいう)のメリットは、トップ・オブ・マインドを取りやすい=最初に思い浮かぶブランドになりやすいことだ。
デジタルを起点とした直販モデルにこだわるのは、顧客とのつながりを築きやすいから。SNS(交流サイト)などを通じて密にコミュニケーションを取れるだけでなく、広告費や流通対策費を顧客サービスに回すことで、リピーターや熱心なファンを生み出せる。
データ分析に膨大なコストと人員を割きながら、分析結果を使った顧客サービスがおろそかになるのはよくある話だ。その点、データ分析を単純化できるのもDNVBの特長で、その分、顧客サービスを充実させることができる。
広告費がなくなる未来?
米国のDNVB市場はまさに百花繚乱だ。アイウェアのWarby Parker、スーツケースのAway、インテリアのCasper、男性下着のSAXXなど、細く深い(バーティカル=垂直な)ビジネスの覇者たちが、ダラー・シェーブ・クラブの成功以降、一気に登場した。
「アマゾンエフェクト」の直撃で業績が低迷していたウォルマートの米国事業が、急速に復調している。直近の20年1月期の第2四半期決算で、2年ベースでの比較では過去10年で最高となる7.3%の売り上げ成長を記録した。牽引するのは37%の成長を見せたeコマースだ。eMarketerが今年4月に発表したリポートによれば、ウォルマートのeコマースは18年12月にアマゾンに次ぐ全米第2位の訪問者を集めたという。
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