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東北被災地でも浸水被害 津波対策への偏重に疑問符

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宮城県石巻市不動町の浸水被害。家屋の床上浸水が続出。乗用車の多くも水没した(写真は住民提供)

台風19号は、東日本大震災の被災者も直撃した。8年半前の震災で壊滅的な被害が発生した宮城県の石巻市や女川町では今回、豪雨による浸水被害が続発した。

旧北上川沿いにある石巻市不動町では、地区一帯が浸水した(上写真)。震災後に建てられた復興公営住宅でも、1階の4世帯で床上浸水が発生。エレベーターも一時使えなくなった。震災で自宅を失い、仮設住宅暮らしを経て復興公営住宅に転居してきた男性(49)は、「安全なはずの住宅で被災するとは思いも寄らなかった」と話す。

不動町内の建材販売会社の社長は、「震災時の津波被害を含めて浸水被害は今回で4度目。保管していた合板や石膏ボードなどのほとんどを廃棄処分しなければならなくなった。ダメージが大きい」と打ち明けた。

甚大な被害が生じたのはなぜか。石巻市下水道管理課の担当者によれば、「(震災復興事業である)旧北上川の築堤工事が続いていることもあり、同川へ水が流れず市街地に水がたまりやすくなっている。仮設のポンプでくみ上げたが、処理能力以上の雨が降って排水が追いつかなかった」という。

生活弱者を直撃

こうした雨水による氾濫は、石巻市内のあちこちで発生した。住民からは「停電で排水ポンプが動かなくなっていたのではないか」との指摘もあるが、真相はわからない。

浸水被害は、とりわけ高齢者などの生活弱者を直撃している。

石巻駅近くの賃貸住宅で暮らす本田いそ子さん(77)は、「家の中が水につかったのは、震災のときを含めて3回。もはやここには住めない」と悲鳴を上げた。

糖尿病を患い、体が不自由な本田さんは、1人では片付け作業もできない。窮状を知って駆けつけたボランティア団体「チーム王冠」の伊藤健哉代表が濡れた畳を家の外に運び出した。「つながりがあったからよかったものの、そうでなかったら途方に暮れていたはず。本田さんのような生活弱者は、復旧作業そのものが困難だ」(伊藤代表)。

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