[Profile] えびはら・たけし/1994年横浜国立大学経済学部卒、同年ジャフコ入社。2008年、独立系ベンチャーキャピタルとしてリブライトパートナーズ株式会社を創業。現在シンガポール、インド、東京の3拠点で事業を行う。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。
「『イノベーションか、死か』『テクノロジーか、死か』そういう時代を今、我々は否応なしに生きている」
こうした書き出しで始まる本書は、シンガポールを拠点として、長年にわたり世界各国のテクノロジーやイノベーションに投資してきたベンチャーキャピタリストの著者が、今、テクノロジーの最前線で何が起きているのかを、一般のビジネスマン向けにわかりやすく解説したものである。
とくに、本書に「文系ビジネスマンを中心とする『ノン・テクノロジスト』たちに、新たな視点を与えてくれる1冊」とあるように、ITリテラシーが低く、部下からテクノロジー関連のプレゼンテーションを受けてもまったく理解できずにプロジェクトを止めてしまうような文系エグゼクティブにとっては、必読の書である。
同時に、テクノロジーが我々の社会や資本主義という仕組みをどう変えていくのかという、より高い次元での議論も含まれており、幅広く社会学的な視点からも読むことができる良書である。
近年、世界のあらゆる事象、組織、ビジネスにテクノロジーが深く関わり、強い影響を与えている事実に焦点を合わせた新しい思考方法が、ここでいう「テクノロジー思考」なのである。
インターネット産業が成熟した今日、世界中で日々増え続ける莫大な投資資金は、「インターネットの外」に向かって流れている。
医療、交通、物流、教育、製造業など、リアルでフィジカルな世界をテクノロジーによって再定義する競争が始まっており、これが「デジタルトランスフォーメーション」と言われているものの正体である。
そして、その変革の激震地は、モビリティーとヘルスケアである。GDP(国内総生産)構成比も大きく、人間にとっての必要性も高いこの2大産業が、デジタルトランスフォーメーションの中心として、今、世界中から最も資金が投下されている分野なのである。
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