──キリングループは医薬品と食品をつなぐ「中間領域」の強化を打ち出しています。
ビールも医薬事業も成長し続けるのであれば、新規事業などいらない。ただ中長期的に見れば、人口減少・少子高齢化の中でビールの消費量は増えない。医薬品も薬価引き下げの逆風が強まり続けるだろう。会社の持続的な成長を考えると、心配で夜も眠れなくなる。
多くの人は、いつかは病気で死ぬ。だが病気で苦しむ期間は短いほうがいい。社会の高齢化が進めば、健康寿命を延伸するニーズは高まるはずだ。ここにビジネスチャンスがあると踏んだ。それが、単なる食品でも医薬品でもない、医と食をつなぐ健康領域。グループ内に製薬会社も食品会社も持つからこそ、科学的な証拠を持って消費者に訴求することができる。
──その新領域は、いつごろ収益に貢献しますか。
あまり大ぼらを吹くのもよくない。「グループ業績に貢献するまでにあと10年はかかる」と言っている。本当はもっと早く立ち上げていきたい。今、事業は少し軌道に乗ってきたところだ。
「医薬健康会社」になる日
──化粧品メーカーのファンケルを約1300億円で持ち分会社化します。
今はまだ、両社でできることを話し合っているところだ。ファンケルは実店舗を持っており、通販の利用者も多い。そこがキリンにはない強みだ。そういったファンケルの販路を活用したり、逆に共同開発した商品をキリンの飲料自販機で販売したりと、さまざまな可能性がある。グループ内にはアミノ酸の技術に長けた協和発酵バイオもある。研究開発の分野でも相乗効果を生み出していく。
この記事は有料会員限定です
残り 760文字
