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美しい「みちのくの小京都」 盛岡市[岩手県]

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  • 牧野 知弘 不動産事業プロデューサー
雄大な岩手山と北上盆地に広がる盛岡市街(photolibrary)

盛岡の街を訪れて最初に気づかされるのは、この街の自然景観の美しさだ。北上川、中津川、雫石川の3本の河川が市内で合流し、川辺の景観がとりわけ美しい。雫石川上流の御所ダムによって造られた御所湖は人工湖であるが、四季折々の眺めは圧巻である。目を西に向ければ勇壮な岩手山と、対照的になだらかで女性的な山容の秋田駒ヶ岳があり、東には北上山地の最高峰・早池峰山(はやちねさん)を拝むことができる。

岩手県盛岡市は北上盆地のほぼ中央部にある人口29万2000人の中核市である。南部氏の居城とされた盛岡城を中心とした城下町で、街中は城下町としての風情を至る所に残し、「みちのくの小京都」とも呼ばれている。

盛岡出身の詩人、石川啄木は盛岡を「美しい追憶の都」と呼び、岩手県に縁の深い作家の宮沢賢治はこの街を、親しみを込めて「モリーオ市」と呼んだという。

街中には洋館も多く見ることができる。岩手銀行の赤レンガ館は1911(明治44)年に当時の盛岡銀行本店として建築されたルネサンス様式の建物で、東京駅を設計した辰野金吾の手によるものだ。また旧第九十銀行の店舗を保存した「もりおか啄木・賢治青春館」は1910(明治43)年築の洋館で、国の重要文化財に指定されている。

歴史や文化に彩られた街、盛岡であるが、経済に目を向けると目立ったものが見当たらない。市内に本拠を持つ有力企業に乏しく、また、東北の拠点の多くは仙台市に所在する。東北新幹線や、盛岡から秋田へ向かう秋田新幹線の開通は、盛岡を交通の要衝に仕立て上げてはいるが、産業が集積するには至っていない。地政学的にも東西を山地に挟まれ南北にしか発展の余地がなく、青森、秋田というどちらかといえば都市としての発展が停滞している街を後背地に抱える点も、盛岡が経済的な拠点となりにくい理由となっているのかもしれない。

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