ーー日本の半導体メーカーではルネサスなど業績低迷に苦しむ企業が多い。その背景をどう見ていますか。
理由はいくつかあると思う。たとえばルネサスエレクトロニクスの場合、自動車用でも特定用途向けの製品をアプリケーションごとに出している。その結果、インテル製品の主な用途であるパソコンと比べると一つ一つの製品が少量多品種になってしまう問題がある。半導体の単価はさほど高くはないので、それでは利益を得るのが難しくなってしまう。
さらに、今はテクノロジーの変化がとても速い。たとえばAI(人工知能)の中のニューラルネットワークという分野ではあっという間に仕組みが変わっていく。それらに対応はできても研究開発費が非常にかかることが問題だ。たいていはターゲットを絞って集中していくが、その選択がうまくいかないと苦境に陥ってしまう。
――そうした中、ザイリンクスの業績は好調です。その要因は。
われわれは、FPGAという製造後に設計を変更・修正できる柔軟性の高い半導体を1985年に世界で初めて開発・製造した。この半導体はひとつの製品で通信から自動車、データセンターなど幅広い分野のたくさんのアプリケーションに対応できる。このため、開発におけるコストパフォーマンスの高さが強みになっている。
さらに、近年はFPGAを理解し、設計に手を加えられるエンジニアのすそ野を増やしていくことに力点を置いている。ソリューションの対象となるユーザーを拡大し、よりたくさんの顧客に使いやすいものを開発していくことが成長の源泉になっていくだろう。
AIではまだ勝ち目がある
ーーとはいえ、半導体業界の巨大企業と渡り合うのは大変ではないですか。
その通りだ。同じFPGAを作るアメリカのアルテラという会社が2015年にインテルに買収された。
インテルやエヌビディアに比べると、当社の規模はとても小さいので、投資や研究開発に使える資金も限られている。アルテラが買収されたとき、「これでザイリンクスの命運は尽きた」と言われたこともあった。だが、そうはならなかったのは、投資の優先度をどこに置くかをきちんと考えてきたからだ。
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