転職で給料をアップさせたいと望む人がいる一方で、自分らしい働き方を求めて、あえて給料アップを目指さない層が増えている。
就職情報大手マイナビ・紹介事業本部の吉田陽子氏は、「肌感覚だが、転職相談に来る人たちの2割ぐらいは、給料アップを重視していない」と説明する。
そもそも転職理由として多いのが、「給料をアップさせたい」「キャリア形成につなげたい」「職場環境を変えたい」の3つ。これまでは、その中でも「給料アップ」が断トツで多かったが、ここ数年で職場の人間関係や、スキルアップを重視する傾向が高まっているという。
給料アップを目指さない人とは、どのような人なのか。
多いのが働き方の見直し。ハードワークのイメージが強いIT業界の場合、「体調を崩し、年収を200万円下げても残業時間を減らしたい」と訴える人がいる。また、未経験でコンサルティングなど人気の業種に就くため、給料が下がっても構わないという人もいる。
こうした傾向は、結婚し子育てをしている30〜40代に顕著だという。20代はまだまだ給料アップを意識した転職が多いが、ミドル世代以上になると、これまでの働き方の価値観にとらわれない傾向が強くなっている。
人材サービス大手エン・ジャパンの沼山祥史・人材紹介事業部長も、「給料を上げたいから転職したい、という人は実はそれほど多くはない」と口をそろえる。
満足度につながらず
給料を求めない人が増えている背景としては、ここ数年盛り上がっている「働き方改革」の影響が大きい。
仕事のやりがいとともに、プライベートの時間を大切にする「ワーク・ライフ・バランス」を重視する人が増えた。「制度がきちんとしている企業に転職した結果、適正な残業代が支払われ、結果として給料が上がった人もいる」(沼山事業部長)という。
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