「ITエンジニアなら新卒でも700万〜800万円を超えるオファーを出す企業がある」(キャリアデザインセンター・type就活フェア部兼フェア推進部の宮本智史部長)。ここ最近、新入社員に破格の初任給を提示する会社が増えている。
実際、DeNAはエンジニア職のAIスペシャリストに年俸1000万円を支払い、NECも優秀な研究者には初年度から年俸1000万円以上を支払う制度を導入した。
IT人材だけではない。くら寿司は経営戦略関連の優秀な人材には年俸1000万円出すと表明している。
背景には若手人材の獲得競争がある。海外企業や外資系企業が、能力が高い学生に厚い待遇でオファーを出しており、対抗策として高額な年俸提示をしている。
就活生に有利な売り手市場を受け、優秀層に限らず初任給は上昇傾向だ。厚生労働省の調査によると、大卒新入社員の初任給の全体平均は、2013年の19.8万円から、18年には20.67万円にまで伸びた。また、労務行政研究所の調べでは、東証1部上場企業241社中42.1%が、19年度の大卒新入社員の初任給を引き上げたという。

上昇幅をひそかに抑制
しかし、「初任給は上がっても、その後の給料が従来からいる先輩社員より多くなるわけではない」と、人事コンサルティング会社・トランストラクチャの古川拓馬ディレクターは指摘する。
ここ数年、給料の底上げにつながる「ベア(ベースアップ)」を実施する企業が増えているが、賃金総額を増やしたくない経営者は少なくない。そこで、初任給を上げた分、どこかで調整をしているケースがあるという。
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