一度聞いてすぐ理解できる話し言葉にするための具体的な方法として、これまで「述語を早く言う」「倒置法を使う」ことをご紹介してきました。今回が最後の方法です。
その方法とは「体言止め」。文の最後を体言=名詞や代名詞で終えることです。この段落の最初でもすでに使いましたね。文章を書くとき、リズムが変わり文章のテンポがよくなる、文を短くできるので読みやすくなる、などの効果があります。話し言葉でも同様で、とくにプレゼンテーションなどではさらに効果は大きくなります。
こんな例文で考えてみましょう。
「SaaSやIoTといったインターネットを基盤にした技術が普及しつつありますけれども、今後はAIやビッグデータなども活用した国際競争力を持ったビジネスを構築していくことが求められています」
難しい内容ではないのですが、音で聞くと、最初に言ったことが少し思い出しにくい長さです。これを短くするには、文の真ん中、「普及しつつあります」で分けるのが普通ですが、実際に話してみると、まだ長く感じます。そこで体言止めを積極的に使います。
「SaaS。IoT。インターネットを基盤にした技術。普及しつつあります。今後はAI。ビッグデータ。これらを活用した国際競争力を持ったビジネス。そんな事業を構築していくことが求められています」
ここまで文を切るの? と驚かれたかもしれません。文字面だけではぶっきらぼうな文章、いや、文章とさえいえないかもしれません。しかし実際に声に出して2つの文を読み比べてみてください。おそらく後者のほうが話しやすく、聞きやすいはずです。伝わる話し言葉の最大のポイントは、極論すれば「文をいかに短くできるか」。そのために有効なのが、勇気を持って体言止めで文を切ることです。
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