米国で巨大ハイテク企業への視線が厳しくなってきた。党派対立が激しい米国で、2大政党の足並みがそろう珍しい事態となっている。
党派を超えた懸念の高まりを象徴するのが、米下院司法委員会の取り組みだ。6月から同委員会は、デジタル市場の競争環境に関する調査を開始した。GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)といったハイテク企業を念頭に、1年半にわたり、デジタル市場での巨大企業の力を分析し、反トラスト法に基づく対応が十分かどうかを検討するという。
調査開始のプレスリリースには、共和党・民主党双方の議員が、この問題の重要性に関するコメントを寄せた。下院司法委員会といえば、ロシア疑惑の捜査を担当するなど、党派対立の総本山というべき存在である。その委員会で、普段は厳しく対立する2大政党が、巨大ハイテク企業に対する調査で手を組んだ。
共和党は、市場原理を重視する立場から、独占による競争の停滞を懸念する。巨大ハイテク企業にはリベラルな気風が強いため、「保守的な言論を差別的に扱っている」との批判も根強い。
民主党には、企業分割の必要性に踏み込む意見がある。5月末、シリコンバレーに近いサンフランシスコに、「巨大ハイテク企業を分割せよ」と大書した屋外広告が登場した。来年の大統領選挙に向け民主党の予備選挙に参戦する、ウォーレン上院議員の広告だ。
「巨大ハイテク企業は、経済、社会、政治の世界において、強大な力を持ちすぎている」とするウォーレン議員は、アマゾン、フェイスブックなどの分割を提案する。民主党の予備選挙に立候補するほかの候補者も、反トラスト法の運用強化や、過去に認めた合併の再審査を提案している。
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