米国では、2020年の大統領選挙に向けた動きが慌ただしい。トランプ大統領は、再選を目指す選挙運動の皮切りとして、6月18日にフロリダ州で大規模な集会を計画する。対する民主党は、党の指名候補を選ぶ予備選挙に向け、候補者による第1回のテレビ討論会を、6月26、27日の2日にわたって開く予定である。
討論会が2日間に及ぶ背景には、候補者の乱立がある。正式な立候補者は170人を上回り、有力視される人物だけでも20人を超える。民主党は支持率などを基準に20人にまで絞り込んだうえで、10人ずつに分けて2回の討論会を行う方針である。
乱立する候補者の中でも支持率で先行するのが、オバマ政権で副大統領を務めたバイデン氏だ。5月の世論調査では平均で40%近い支持率を獲得し、2位につけるサンダース上院議員に約20%ポイントの差をつけている。
1942年生まれのバイデン氏は、副大統領就任前に上院議員を36年務めたベテラン政治家だ。予備選挙への出馬も、88年、08年に続き3度目となる。前2回は出馬当初の支持率が2%前後で惨敗したが、今回はトップでの滑り出しとなった。
バイデン氏の強さは、意外感をもって受け止められている。左傾化が指摘され、共和党との対決姿勢を強める民主党において、バイデン氏は中道寄りの融和的な姿勢を鮮明にしているからだ。
バイデン氏は国家主導の国民皆保険制(「メディケア・フォー・オール」)など、ほかの候補者が支持する左寄りの政策に対し懐疑的な姿勢を取っている。また共和党への批判は控えめで、トランプ大統領が退陣しさえすれば「共和党は悟るはず」と、超党派の協力に期待を示している。
バイデン氏が有権者に約束するのは、オバマ時代への回帰である。バイデン氏が示す世界観では、トランプ大統領は単なる一過性の悪い夢にすぎない。「斬新な政策に頼らなくても、オバマ時代に戻りさえすれば米国は団結できる」というのが、バイデン氏の有権者へのメッセージである。
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