【著者プロフィル】はしもと・たくのり/共同通信社経済部記者。1975年東京都生まれ。慶応大学法学部政治学科卒業。2006年共同通信社入社。経済部記者として流通、証券、大手銀行、金融庁などを担当。著書に『捨てられる銀行』『捨てられる銀行2 非産運用』『金融排除』など。
本書は、ベストセラーになった共同通信社の橋本卓典記者による、『捨てられる銀行』シリーズの続編である。また日本版「金融排除」の問題点を鋭く指摘した著者の『金融排除 地銀・信金信組が口を閉ざす不都合な真実』と同じ問題意識に立脚している。
バブルの崩壊と「金融処分庁」による圧政の時代を経て、企業の実態を見る力を失ったことが、銀行というビジネスモデルを根幹から揺るがしている。
2015年の森信親長官の時代になり、金融庁はようやく時代の役割を終えたことを自ら認め、「金融育成庁」に転換し始めた。しかし、銀行はもはやリスクテイクという金融の本質を忘れ、目先の利益だけを追う存在に変質してしまった。不良債権を生み出しにくく、貸し渋りをしない、それでいて地域と顧客には寄り添わない「異様な健全銀行」が続々と誕生したのである。
そして、この期に及んで投資信託の回転売買と手数料の高い保険商品を優先し、顧客が必要としない「売れ筋」商品を売りつけようとセールストークを磨いてきたのが銀行の実態である。
人々はようやくこの異常さに気づき、銀行に愛想を尽かし始めた。そして、平日午後3時までに銀行に行かなければならない無意味さを悟り、銀行に足を向けなくなっている。
銀行は今、根底からその存在意義を問われているのである。
森長官は、「企業の事業性や将来性を見極める事業性評価」「顧客との共通価値の創造」「顧客本位のビジネスモデルの確立」といった、これまでとはまったく異なる、新たな顧客本位の方針を打ち出した。
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