連休中に『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社)を読んだ。「トランプ現象」を生んだ米国政治とメディアの最新情勢について、日本のジャーナリストたちが切り込んでいる。
トランプ氏は集会において、その場にいるメディアを「最も不誠実な人たち」と呼ぶ。支持者たちはそれに歓呼で応える。もちろんメディアはこれを批判する。ときには「こんなばかを支持しているなんて信じられるか」と、上から目線で報道することもある。
ところがトランプ氏は、オンレコの取材には頻繁に応じるし、メディアの関心をつねにつなぎ留めようともしている。そのくせ何か都合の悪いことを書かれると、「フェイクニュースだ!」とブチ切れる。実はメディアにたたかれることが、自らの支持層を固める近道だと割り切っているのだろう。
メディアもこの状況から利益を得ている。トランプ氏が大統領になり、ニューヨーク・タイムズ電子版の購読者は100万人以上増えた。広告費の減少に見舞われるメディアにとっては神風だろう。トランプとメディアは、「ウィン-ウィン」の関係にある。
かつて牧歌的な時代には、人々は朝に新聞を読み、夕方にテレビでニュースを見る程度であった。報道に接する時間は短く、電波に対する「公平性の原則」という規制もあった。それが今ではニュースは24時間配信され、ネットを規制するすべもない。
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