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米朝合意見送りに隠されたトランプ氏の計算高さ 共和党からの批判を意識

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シンガポールに続く2回目となった首脳会談では、米朝双方の隔たりが浮き彫りとなった(ロイター/アフロ)

2月28日のハノイでの首脳会談において、米朝両首脳が合意に至らなかったことは、日本や韓国、北朝鮮だけでなく、米国内でも想定外だった。なぜトランプ大統領は事前に予想されていた寧辺(ニョンビョン)の核施設放棄の見返りとして、制裁解除や朝鮮戦争の終結宣言、相互連絡事務所の設置などを認める合意を選ばずに、より踏み込んだ核施設の廃棄を要求したのだろうか。

そもそも米国内の専門家は首脳会談前に、トランプ氏が自らの「ディール」能力を誇示しようとするために、実現の見込みが薄い北朝鮮の完全な核放棄よりも、目先の安易な合意を優先することを懸念していた。

しかし、政権の強硬派を代表するボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、3月3日のニュース番組に出演した際、大統領が「悪い取引を拒否することでその責務を果たした」と発言し、「会談は失敗ではなかった」と評価した。そのため、今回の米朝首脳会談におけるボルトン氏の影響も注目された。

ただし今回の決定は、トランプ氏本人の判断による要素が大きいのではないだろうか。ボルトン氏は番組の中で、「米国の国益に反するようであれば、相手が北朝鮮であれ誰であれ、大統領が取引を急いだりはしない」と指摘した。しかし筆者は、トランプ氏が「自分の大統領再選を阻害するようであれば、取引を急がない」というのが実態だと考える。

おそらく事前に想定されていた妥協的な米朝合意では、トランプ氏への逆風を打ち消すほどのインパクトはないと判断したのではないか。逆風とは、元顧問弁護士がトランプ氏を詐欺師と呼んだ議会証言や、民主党議会がこれから行うトランプ氏周辺の腐敗疑惑への調査などだ。むしろ安易な合意は民主党だけでなく、足元の共和党からの批判をも受けるリスクがトランプ氏にはあった。

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