脳は細胞薬が有効な領域 SB623の可能性にかける
治験結果速報の翌日から株価が暴落し、成功を待っていてくれた患者さんから「残念だ」というメールも届いた。それだけ期待されていたのだと感じている。今回の慢性期脳梗塞治療薬には創業期から取り組んでおり、小規模な臨床試験では、数年間動かなかった腕が動くようになった患者さん、足が動かせなかったのに歩けるようになった患者さんもいる。われわれも自信があり期待もしていたので、非常に残念だ。
ただ、このSB623はポテンシャルのある細胞薬で、安全性にも問題はない。経営資源をここに集中していく方針には変わりがない。患者さんや株主には中長期で恩返しをしていくつもりだ。
──どのようなポテンシャルがあるのですか。
100年近くの間「脳神経は再生しない」と医療現場でも学術界でも信じられてきた。だが、20年前に当社の創業科学者である岡野栄之先生(慶応大学大学院医学研究科委員長)が、脳神経でも細胞が分裂して増えることを発見した。われわれもその時期から研究開発に取り組み、2018年11月には外傷性脳損傷の日米共同治験で、プラセボ群(偽治療群)と比較して統計的に意味のある差が認められる世界初のデータを出せた。
脳には医薬品が届きにくく、効果的な薬がまだない。リハビリ効果もなく治療を諦めるしかない慢性期の患者さんを治すには、脳に直接投与する細胞薬が必要だ。
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