セバスチャン・スランは1967年、ドイツのゾーリンゲンに生まれた。ヒルデスハイム大学でコンピューター科学、経済学、医学を修め、ボン大学大学院のコンピューター科学科と統計学科を修了。95年には博士号を取得した。
同年、米国に渡り、カーネギー・メロン大学(CMU)でコンピューターの研究に従事。助教、准教授となり、CMUロボット学習研究所の共同所長にもなった。2003年にCMUを離れ、スタンフォード大学准教授に。04年にはスタンフォード大学人工知能研究所(SAIL)の所長になった。あっという間の大出世である。
05年、DARPA(米国防高等研究計画局)主催の第2回グランド・チャレンジ(自律走行自動車レース)で、スタンフォード大学のチームを率いて優勝。翌年は2位となった。
スランの理論は「高速SLAM(自己位置推定・環境地図作成の同時実行)」や「確率的ロボティクス」としてロボット工学の分野では有名だ。
共著ではあるが、『確率ロボティクス』(上田隆一訳、マイナビ出版)や『ロボットの運動の原理』というわかりやすい本がある。新しい息吹と味付けを施した魅力的な本である。すべての式のチェックをするのは大変かもしれないが、若くて元気のある工学部系の学生諸氏には読破をお勧めしたい。
07年にスタンフォード大学のコンピューター科学・電気工学科教授になると同時にグーグルでプリンシパルエンジニアとして働き始め、ストリートビューを共同で手がけた。自律走行自動車の研究にも取り組んだ。
11年、スタンフォード大学教授の終身在任権を捨て研究教授となる。事実上の退職という思い切った行動で、常識的な大学教員には考えられないものだ。
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