今回紹介するロドニー・ブルックスはロボット掃除機「ルンバ」を作った異彩を放つロボットエンジニアだ。
ブルックスは1954年、オーストラリアのアデレードで生まれた。彼自身の言葉によると「地理学的にも僻地であるばかりでなく、欧州や北米の技術革新の動きから遠く離れているという意味でも、紛れもない僻地だった」。
父親がオーストラリア軍の研究所の電気技師だった影響でものづくりが好きだった。少年時代にグレイ・ウォルターの本を読み、トランジスタを使って「ノーマン」というロボットを作った。
地元オーストラリアのフリンダース大学数学科に入学し、コンピューターに熱中。コンピューターへの思いはやまず、77年に同大学院数学科博士課程を中退、スタンフォード大学人工知能研究所(SAIL)の助手になった。同大学院コンピューター科学科博士課程を81年に修了しPhDとなる。
その後、短期間カーネギー・メロン大学とマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究員となったが、83年にSAILの助教となり、ロボットの研究に取り組む。ここが大きな転機となった。
84年、MITのパナソニック寄付講座のロボット工学の教授になる。同時にカリフォルニア州のパロアルトにルーシッド社を設立する。東海岸と西海岸で同時に仕事をするのだから、そうとうタフな人である。
86年、サブサンプション・アーキテクチャー(SA)という、学会の常識とはまったく異なるロボットのアーキテクチャーを提唱した。そしてSAに基づく6本足の「ジンギス」という名のロボットの開発を始める。
SAは複雑さを廃した簡単なシステムである。ただSAの理論は、マービン・ミンスキーをはじめとする学会主流派から厳しい批判を浴びた。
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