昨年後半に崩落した原油相場は気の抜けない展開が続く。昨年10月にブレント原油で1バレル=86ドルの高値をつけた後、3カ月足らずで40%超も下落した。
このときは、米国が予想外にイラン制裁に猶予を設けたことやシェールオイル生産の拡大ペースが上がったことから供給過剰感が急速に高まり、アルゴリズムトレードやオプション取引による売り圧力も影響した。12月上旬にロシアなどの非加盟国を含むOPEC(石油輸出国機構)プラスによる減産の決定があっても落ち着かず、一時1バレル=50ドルを下回り、市場心理が悪化したまま19年を迎えた。
昨年後半は原油相場の動向を見るうえで供給面が注目されたが、今年は需要も大きなカギを握る。世界経済の成長見通しは各機関で下方修正が相次いでおり、需要の不確実性が高まっているからだ。
とりわけ、米中間で続く貿易戦争の動向は、世界全体の成長への下押し要因にもなる。また、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融引き締めは、長らく続いてきた流動性相場の終焉を意味する。

イラン制裁の猶予後 米国はどう動くか
現在、世界の原油需要は緩やかな拡大を続けるというのが業界のベースシナリオだ。だが、景気減速が予想以上に進めば、原油需要の縮小に加え、リスクマネーの一段の引き上げなどから、再び1バレル=50ドルを割り込む水準に逆戻りするおそれがある。
昨年の価格下落局面では、ファンドの大量のロング(買い)ポジション解消も大きかったが、流動性の枯渇が価格の振幅を大きくした側面もある。ボラティリティーの急上昇を伴いながら相場が崩れるリスクには注意しておきたい。
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