平成元年(1989年)に国内7社あった鉄鋼(高炉)メーカーは現在3グループ、4社に再編・集約され、海外では日本が草創期から育成支援した中国の鉄鋼産業が、今や世界の粗鋼生産の半分を占める異形の存在となった。こうした海外勢や鉄に代わる新素材にどう立ち向かうか。新日鉄住金の進藤孝生社長に聞いた。
──国内鉄鋼メーカーにとって平成の30年はどんな時代でしたか。
前半は国内製造業の海外シフトを受けた“鉄冷え”に対処する合理化の時代、後半はグローバル化の時代だ。中国が台頭して世界の鉄鋼需要と生産が飛躍的に伸びた。
一方、インド出身のラクシュミ・ミタル氏による買収で2006年に巨大鉄鋼メーカーの欧州アルセロール・ミタルが誕生した。世界規模で再編が進展し、12年の当社発足(旧新日本製鉄と旧住友金属工業が統合)に至った。
──今の国内鉄鋼メーカーに共通する問題を挙げると。
日本の鉄鋼業は、高度経済成長時代に近代化が進んだため、設備は50〜60年経っている。リプレースは徐々に行われてきたが、これからのものもある。その際、安全や防災、品質管理などにITを組み込み、鉄作りの高度化を進めていくことが課題だ。
海外では産業の保護主義化、国産化が叫ばれるようになった。日本で鉄を作って輸出するというやり方でなく、現地で最初から鉄を作って加工する方向へ流れが強まっており、これに応える必要がある。さらに自動車の軽量化、EV化、自動運転化に、素材としての鉄がどのように貢献できるか。自動車は最大需要家だけに避けて通れない。地球温暖化問題への対応となるCO2排出削減も重要だ。
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