2019年のラグビーワールドカップ、20年の東京五輪、25年の大阪万博など、国内の大型イベントに沸く旅行業界。ただ、業界に吹くのは順風ばかりではない。平成の30年間の振り返りと、今後の課題をJTB会長で業界団体・日本旅行業協会会長の田川博己氏に聞いた。
「交流を促し復興を支えるのが旅の力だ」
1990年代はバブル崩壊に加え、91年の雲仙普賢岳の噴火、95年の阪神淡路大震災など、天災に見舞われて国内は苦しかった。だが、米国ビザが緩和されたこともあり、ハワイやグアム、西海岸への旅行者が増加。出国者数全体も毎年増え続け、旅行会社にとって大きな成長を遂げた時期となった。
ところが2000年代の10年は、米国で同時多発テロ事件が起き、海外旅行者が一時的に激減、米軍基地がある沖縄の修学旅行は9割以上がキャンセルとなった。SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行もあり風評被害とどう向き合うかを学んだ。
転換点となった東日本大震災
一方、03年に観光立国宣言が出され、06年に観光立国推進基本法が制定され、08年には観光庁が発足。観光が国の成長戦略の中に位置づけられたことは大きな変化だった。
2010年以降、先進国ではテロが多発し、国内でも異常気象や地震が相次いだ。特に11年の東日本大震災は転換点だった。多くの方が亡くなる痛ましい震災であり、三陸から千葉まで被害は広範かつ甚大だった。
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