ゆとり教育が実施され、平成は子どもの学力低下が社会問題となった。学力向上が最大の課題だった時代は終わり、2020年には小学校から大学まで対象の大規模な教育改革を控える。通信教育を中心に教育業界を牽引するベネッセホールディングスの安達保社長に戦略を聞いた。
──教育業界はどのように変化しますか?
20年以降順次、新しい学習指導要領が実施され、「大学入学共通テスト」が始まる。平成を振り返ると、知識量重視の詰め込み教育への批判から「ゆとり教育」が実施されたものの、学力低下が問題になって再び学習内容が増加。11年以降は、詰め込み教育の時代とほぼ同等まで戻っている。
今回の教育改革では学習量は削らず、外国語や情報教育など新しい教育が次々に加わる。子どもと教える側の負担は大きい。文部科学省が掲げる理想と現実のギャップを埋めるために、民間のノウハウが生きる。国の整備だけではすべて賄えず、民間企業の手がさらに必要になるだろう。
ICTで学習も効率化 生徒ごとに個別対応も
──20年から小学校で必修化されるプログラミング教育への取り組みは?
「進研ゼミ」では、18年から4〜6年生を対象にプログラミング教材を導入し、すでに14万人が利用している。今後は全学年で導入する予定だ。
学習内容だけでなく学び方も変わり、生徒が能動的に参加するアクティブラーニングがより重視される。そのためにはICT(情報通信技術)の活用も欠かせない。15年から、生徒と教師がクラウド上でコミュニケーションを取れるツール「Classi」を開始した。ベネッセのテストと連動し、間違えた箇所を自主学習できる機能もついている。学習法は効率化し、学ぶ対象も生徒ごとの個別化が進む。これらを支える商品の需要は高まる。
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